積み上げる


修理でお客様の靴をお預かりする際、よく『木の部分まで減ってきたので交換してもらおうかと』と言われますが、それは、木ではなく革を一枚、一枚積み上げたものです。
最近は、こういった風に革を積み上げていくことはなく、最初から積み上げられたものを使用したり、革のように見えるもの積み上げていたり、さらに、女性ものにかぎってはプリントされたものもあります。
そのような風潮の理由は、非常に手間がかかることとコストがあがってしまうからです。
それでも、一枚一枚積み上げいく良さとしては、やはり作る靴が一つ一つ違うので大きさをそれぞれに変えられることと、一番大きなこととしてはやはり靴が出来上がった時の雰囲気が違うことです。
一見、積み上げてないものとそんなに違いがわからないのですが、なにかが違います。
それは、実際に見たり触ったりしないと分かりにくいですが、そういった部分に拘ることで、よりよい靴が出来上がると思っています。

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